【35歳からの2人目、3人目妊活】心理学者に聞く「妻がセックスレス夫に上手に切り出す方法」とは?
「子どもがもう1人欲しいけれど、夫とはセックスレスで……」。日本の夫婦の半数以上がセックスレスと言われるなか、こんな悩みをもつ人も少なくありません。どうして子育て期はレスになりがち? 夫へのアプローチはどうしたらいい? 心理学の専門家にセックスレス解消のヒントを伺いました。
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【35歳女性のお悩み】セックスレス2年。2人の子供がいるけれど、もう1人欲しい。どうやって夫を誘えばいい?
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いくみさん(仮名:35歳)は結婚5年目の2児の母。
5つ年上の寛太さん(仮名:40歳)との間に、6歳と3歳の女の子がいます。
いくみさんと寛太さんは2年近く性交渉がないそうですが、いくみさんは「男の子も育ててみたい」と考えており、「タイミング法で自然に授かるならば妊活したい」と話します。
しかし「最近疲れやすい」という寛太さんは、「年齢的にも体力がないし、教育費も高いし…」と及び腰。
「夫をその気にさせるにはどうしたらいいのか」というのが、いくみさんの目下の悩みだといいます。
いくみさんのように、子育てをしているうちに気がつけばセックスレスになってしまったというケースは少なくないはず。そこで、臨床心理士・公認心理師で神奈川大学人間科学部教授の杉山崇先生に、「子供のいるセックスレス夫婦の心理的なすれ違い」や「もうひとり子供が欲しい妻が夫を性交渉に誘う方法」についてお話を伺いました。
Q.そもそも子育て期は、なぜセックスレスになりがち?
杉山先生「愛し合って子供をもうけた夫婦でも『子供を育てながら生活を維持していく』というミッションは重いもの。ついつい日常生活に意識が集中しがちです。
そうなると夫にとっては『2人で家庭を守り運営する仲間』という存在として、妻が位置付けられていきます。その結果、恋愛モードとは使っている脳が変わってきます。
2人の間で『安全確保』『ミッションのクリア』という脳が優位になっていくと、妻の存在自体が脳に与える刺激が『安全確保』のカテゴリに移っていくのです。
一方で、生殖行為というものは、生物学的に見ると非常にリスクの高い行為です。
心理的に感じているリスクや負担を上回る、脳内の『報酬・快感』があれば、生殖行為という衝動につながります。俗に言う『興奮する』状況です。
しかし、『安全確保』を目的とした場所で、共に暮らすパートナーに対し、『リスクを冒す』テンションに持っていくことは、容易なことではありません。
心理学では、生物のオスが『新奇性の高いメスに興奮しやすい』現象をクーリッジ効果と呼びます。
ラットを使った動物実験でも、新しいメスが登場すると、オスの脳内で、やる気や快感に関わる物質であるドーパミンの放出が増加することが報告されています。多様な遺伝子を残すための本能ではあるのですが、現代の結婚制度とは相容れないところがあります。
こういったことから、お子さんをもうけたご夫婦は、なかなか脳をロマンティックモードに『セット』しづらい傾向があります。理想としては、いつまでもラブラブでいたいものですが、どちらかというと、そのテンションを維持できるご夫婦のほうが少ないのかもしれません」
Q.子どものいるセックスレス夫婦が、ロマンチックな関係を取り戻す方法は?
杉山先生「例えば、クーリッジ効果を逆に使う方法もあります。人間も動物なので、本能は意外に単純。夫が妻に『新奇性』を感じると、ロマンチックな脳が働き始める可能性があるのです。
具体的には、髪型を変えてみる、メークを変えてみる。プロにメークをしてもらうサービスなどを利用して『別人のように見えるヘアメークでデートをする』というアプローチもよいでしょう。
また、可能であれば『お子さんを実家に預けてお泊まりデート』をするなど、場所を変えて新奇性を感じる状況を整える方法も考えられます」
Q.妻から夫へ妊活のアプローチをする際のNG行動って?
杉山先生「NG例としては、『夫自身に興味があるのではなく子供が欲しいだけ』という思惑を匂わせてしまうことが挙げられます。それを感じ取った夫の心は閉じてしまうかもしれません。
例えば妊活を促すにしても、『あなたの子供がもうひとり欲しい』『あなたに似た男の子が生まれたらかわいいと思う』など、言い方ひとつで印象は変わります。
また、日常の中でさりげなく伝えるのではなく、夫と2人でランチをする、飲みに行くなど、新奇性の高い場で『最近、スキンシップが減ってさびしいかも…』など、相手にかわいらしいと思われるようなやわらかい伝え方をすることをお勧めします。
『どうして妊活に協力してくれないの?』など感情的に詰め寄ってしまうと、男性の脳では『不満をぶつけてくる相手は敵かもしれない』という警戒信号が出て、逆効果になりやすいので、感情的にならないように気をつけましょう」
Q.「疲れている…」という夫へのアプローチの仕方は?
杉山先生「一般論として男性には単純なところもありますので、妻から『おつかれさま』『いつもありがとう』など、優しい言葉をかけられるだけでも、関係性は変わってくると思われます」
Q.子どもがいるセックスレス夫婦が、関係改善をするうえでのアドバイスは?
杉山先生「人生はいろいろな『物語』で成り立っていますが、夫との『物語』は、子どもができるとマルチな物語になってきます。夫自身も年齢が上がり仕事の立場が変わると活躍の場も多岐に渡り、シンプルだった物語に変化が現れます。もちろん妻側も同様です。
お互いの『物語の変化』に関心を持たないまま時を重ねると『子育て』以外は何も共有できないカップルになってしまいがちです。
定期的に自分の物語を確認しつつ、パートナーの物語にもアンテナを張って『参加してあげる』意識を持つこと。お互いの物語の『山場』『危機』を迎えたら、協力して乗り越えることができれば、スリルや充実感を共有できてぐっと距離が近くなると思います。
共有できる物語が増えると、ご夫婦単位の生活も豊かになるので、ぜひお二人で話し合う機会を持ってください。
また、まだ日本ではそれほど浸透していない面もあるのですが、ご夫婦でプロのカウンセラーに夫婦関係を相談するカップルカウンセリングもおすすめです。心理学の専門家を前にすると、普段言いづらいことも相談しやすいですし、性交渉や妊活のみならず、老後のことやお金のことなど、大切なことを話し合うよい機会になります。ぜひ必要なときには、カウンセリングを利用してみてください」
神奈川大学教授、大学院人間科学研究科委員長・就職支援部長。心理マネジメント研究所代表。臨床心理士・公認心理師。1級キャリアコンサルティング技能士。オフィシャルウェブサイト:http://www.sugys-lab.com/
取材・文/星子 編集/根橋明日美 イラスト/PIXTA
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