気づくとお腹に力が入る…無意識の力みを和らげるためのセルフケア

「気づくとお腹に力が入っている」「深呼吸をしてもお腹周りがゆるみにくい」と感じることはありませんか? その無意識の力みは単なるクセではなく、ストレスや姿勢が関係しているかもしれません。無意識にお腹に力が入る原因や和らげるためのセルフケアを紹介します。

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1.お腹に常に力が入っているように感じるのはなぜ?

お腹に力が入る感覚がある場合、ストレスによる体のこわばりや姿勢の悪さなどが関係している可能性があります。それぞれ具体的にみてみましょう。

①ストレス

ストレスによって自律神経が乱れ、体が緊張状態になることでお腹の力みにつながることがあります。自律神経は体を緊張・興奮状態にする交感神経と、休息状態にする副交感神経の2つからなり、通常は両者がバランスをとりながら体のさまざまな機能をコントロールしています。
ストレスがたまると交感神経が優位になり、体が無意識に緊張した状態になるのです。このため、ストレスで肩や首がこるのと同じようにお腹周りの筋肉も緊張し、お腹に力が入っていると感じることがあります。
また、自律神経の乱れは血行不良や胃腸の機能の低下を招く要因のひとつ。その結果、お腹の張りなどにもつながりやすくなり、お腹に力が入っているように感じる場合もあります。

②姿勢の悪さ

猫背や前かがみの姿勢が続くと、首や背中だけでなく、体幹を支えるお腹周りの筋肉にも負担がかかります。その結果、腹筋がこりやすくなったり、血行不良が起きて自律神経が乱れやすくなったりします。
また、姿勢の悪さは腹圧の上昇を招く要因のひとつ。腹部膨張感や便秘などが起きてお腹が張り、力が入っているように感じることもあります。

2.お腹の力みには病気も関係するの?

お腹の力みの背景に、便秘や過敏性腸症候群などの胃腸の不調が関係していることもあります。便秘になると、便が腸に滞ることでお腹が痛くなったり張ったりして力んでいるように感じることがあります。
過敏性腸症候群はストレスが大きく関係している病気です。お腹を押すと痛い、下痢や便秘が続く、吐き気や強い張りがあるなどの場合は、セルフケアだけで様子を見ず、医療機関に相談しましょう。

3.お腹の力みを和らげるセルフケア

お腹の力みを和らげるには、ストレスケアと姿勢の改善を意識することが重要。日常生活のなかでできるセルフケアを紹介します。

①腹式呼吸を意識する

②正しい姿勢を心がける

座るときは骨盤を立てて座り、背筋を上に伸ばすことを意識しましょう。座るときだけではなく、立っているときも骨盤と肩、耳が一直線になるように意識し、腰を反らせすぎないことがポイントです。
また、座る際には机や椅子などの高さを調整することも重要。机が低すぎると前かがみになり、椅子が低すぎると反り腰になって余計な力が入ります。高さが調節できる椅子や机を活用し、正しい姿勢を保ちやすい環境を整えましょう。

③こまめに休憩を挟む

仕事中は集中していて姿勢が崩れやすいという場合は、こまめに休憩を挟んで体の緊張を解くことも大切。集中していると、無意識に姿勢が崩れたり体が緊張してお腹に力が入ったりしがちです。
同じ姿勢が続くときはこまめに休憩をとって少し歩いたり、軽いストレッチをしたりして心身をリセットさせましょう。休憩のタイミングを先に決めておくと続けやすくなります。

④リラックスタイムを設ける

リラックスタイムを設けて適度にストレスを発散することも、お腹の力み対策につながります。好きな音楽を聴く、ぬるめのお湯にゆっくり浸かる、間接照明で照らした部屋で読書をするなど、自分なりにリラックスできる習慣を持ちましょう。
特に、就寝前にリラックスタイムを設けると体が休息状態に切り替わりやすく、寝付きをよくすることにつながります。睡眠の質が高くなり、自律神経を整える効果も期待できます。

⑤漢方薬を活用する

お腹の力みが気になるなら、漢方薬を活用するのもひとつの手。漢方薬は不調の根本原因にアプローチして改善を目指します。体質から整えるため、繰り返しやすい不調の改善にも効果的です。
お腹の力みには「胃腸の機能を回復する」「自律神経のバランスを整える」「筋肉の緊張をほぐす」などの働きがある漢方薬を選びましょう。

<お腹の力みにおすすめの漢方薬>

・桂枝加芍薬湯(けいしかしゃくやくとう)
胃腸を温め、内臓の筋肉の緊張を緩めることで、腸の過剰なぜん動運動を抑えて動きを正常化させる漢方薬です。胃腸が弱く、お腹の張りや腹痛、下痢または便秘気味の人に用いられます。

・大柴胡湯(だいさいことう)
体の余分な熱を取り除くとともに、自律神経のバランスを整えて筋肉の緊張や張りをほぐす漢方薬です。イライラしがちで便秘や頭痛、肩こりなどがある人に用いられます。

漢方薬は自然由来の生薬で作られており、西洋薬よりも副作用が少ないとされています。ただし、体質に合わないと思わぬ副作用が出ることも。効果的に漢方薬を活用するには、専門家に相談することが大切です。専門家の力も借りながら、漢方薬やストレスケアなどを組み合わせて、お腹の力みを和らげましょう。

【お腹の無意識の力みに関するQ&A】

Q.お腹の力みには腸内環境も関係していますか?

腸内環境が乱れると、便秘やガスだまりによってお腹の張りを感じやすくなり、その不快感から無意識にお腹に力が入っているように感じることがあります。腸内環境は自律神経と深い関係があり、腸内環境が乱れると自律神経も乱れやすくなります。そのため、お腹の力みが気になるときは腸内環境を整えることも重要です。

Q.お腹のマッサージも効果がありますか?

便秘やガスだまりがあるときは、お腹を温めたりやさしくマッサージしたりすると軽減できる可能性があります。ただし、強く押す、痛みを我慢して揉むなどの方法は避けることが大切。心地よい範囲で時計回りにゆっくりなでる程度にとどめ、痛みや吐き気がある場合は控えましょう。

Q.お腹の力みが気になる場合、病院で診てもらうべきですか?

お腹に力が入る感覚だけで生活に支障が少ない場合は、セルフケアで様子を見てもよいこともあります。ただし、お腹を押すと痛い、下痢や便秘が続く、強い腹部膨満感や食欲低下などがある場合は医療機関に相談しましょう。過敏性腸症候群だけではなく、ほかの病気が隠れていないか確認が必要なことがあります。

教えてくれたのは…医師 木村 眞樹子さん

都内大学病院、KDDIビルクリニックで循環器内科および内科に在勤。総合内科専門医・循環器内科専門医・日本睡眠学会専門医。産業医として企業の健康経営にも携わる。自身の妊娠・出産、産業医の経験を経て、予防医学・未病の重要さと東洋医学に着目し、臨床の場でも西洋薬のメリットを生かしながら漢方の処方を行う。症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でもサポートを行う。

編集/根橋明日美 写真・イラスト/PIXTAほか

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