「あと半年で透析」からの劇的回復!夫・加藤茶の命を救った綾菜流“減塩料理” 【加藤綾菜さんインタビュー#2】
国民的コメディアンの加藤茶さんと結婚し、今年で15年目を迎える加藤綾菜さん。加藤茶さんは、結婚して2年後にパーキンソン症候群を発症。当時25歳だった綾菜さんが茶さんのために奮起したこととは?今や料理本を出すまでになった綾菜さんの料理の原点や介護について、たっぷりとお伺いしました!
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結婚2年目で「このままでは亡くなる」と言われて、一念発起
加トちゃんがパーキンソン症候群になったのは、私と結婚をして2年が経った時です。発覚した時はかなり悪化をしていて、ほどなく寝たきりの状態に。口から食事ができないばかりか流動食も受けつけず、完全に点滴で栄養を補給している状態でした。あの当時はかなり落ち込んでしまって、「幸せになるはずだったのに」と嘆きもしました。
ですが、悲劇のヒロインぶったところで状況は何一つ改善しません。落ち込んでる場合じゃないと、切り替えてはみたものの最初は何をしてあげたらいいのかわかりませんでした。当時のサポートは、ベッドの側にいて励ましたり、新聞の読み聞かせをする程度でした。その後、病院での治療が功を奏して、1年後には歩けるようになるまで回復。ごはんも食べられるようになりました。
でも本当に大変だったのはそれからでした。過去に加トちゃんは大動脈解離を患ったことがあるのですが、パーキンソン症候群にもなってしまったことで、腎臓に大きな負担がかかってしまっていたようなんです。なので自宅での食事は徹底した減塩が求められました。そうしないと「このままでは亡くなる」とまでお医者さまから言われるほどだったんです。
誰よりも“美味しい減塩料理”を作りたい!その一心で辿り着いた“綾菜流氷出汁”
私が料理に目覚めたのはその時です。それまで料理なんて、目玉焼きとか鮭焼きくらいしかできませんでした。減塩と言われてもピンとこず、単純に塩を抜けばいいのかな?という具合で。それで、本当に塩を抜いたごはんを作って加トちゃんに食べてもらっていたら、一気に体重が落ちたんですよ。でもそれは塩抜きの料理が不味かったからなんです。不味くて満足に食べられないから痩せたというだけ。
次第に加トちゃんが無気力になっていくのが目に見えてわかるようになって、これでは本当に死んでしまう!と恐怖を感じ、誰が作るのよりも美味しい減塩料理を作ろう!と決意し、減塩料理について調べまくりました。あとはもちろん腎臓のことも。インターネットで調べられるだけ調べ、本屋さんで減塩料理や腎臓の本を片っ端から読み漁り、減塩の専門家にコンタクトをとって直接お話を聞きに行ったり、慶應義塾大学病院の調理師の先生のもとへ料理を習いに行ったこともあります。
学んだことを徐々に料理に落とし込んでいく日々でした。最初はニンニクや生姜を使って醤油や塩を減らしていく調理法から始め、次第に鰹節や椎茸や昆布で出汁をとるように。例えばそれで美味しいお味噌汁ができるけれど、どうしても味が薄くなります。そこで玉ねぎのすりおろしを入れたらコクが出るかな?とか、生姜や酒粕を入れたら味に深みが出るかな?などの試行錯誤を重ね、ようやく辿り着いたのが氷出汁でした。鰹出汁をベースに、酒粕、玉ねぎ、少量の醤油を入れて凍らせたものです。保存できるし、一度作っておけば毎回出汁を取る手間がありません。氷出汁のおかげで、料理のレパートリーは飛躍的に増えていきました。
「あと半年で透析」とお医者様から宣告された加トちゃんに、「絶対に透析のない人生にする」と宣言
加トちゃんは私と結婚する前は絵に描いたような不摂生な生活を送っていました。特に食生活は焼肉、とんかつ、ステーキ、ラーメンのローテーションでした。そのうえ、神経のすり減る芸能界の仕事に長年取り組み、もう内臓はボロボロの状態。パーキンソン症候群を発症した2年後には食道破裂を起こし、大量吐血をして輸血をしないと生きられない時期もありました。
そして私が30歳くらいの頃、加トちゃんは「あと半年で透析」とお医者様から宣告されたんです。もう目の前が真っ暗になりました。やっと仕事もバッシングも幾分落ち着いて、これから2人で穏やかに生活できると思った矢先でしたから。透析の病院へ見学に行かせていただいたりしましたが、透析の生活になれば舞台に立つことは難しくなります。加トちゃんから舞台が取り上げられるなんて考えられなくて、「絶対に透析のない人生にする」と加トちゃんに宣言しました。
そこからの半年間はこれまで学んだことをフル活用し、食生活の管理を徹底しました。加トちゃんが1日に摂れる塩分量は6g。カップラーメン1個よりはるかに少ない量です。それを1日3食に分け、後の味付けは自分の作った出汁のみ。ハンバーグをこねる際に氷出汁を入れると、成形して焼く時に出汁が滲み出て美味しくできるんです。トッピングの大根おろしにも混ぜれば、味が重なってさらに美味しくなります。減塩のちらし寿司も作ってみたのですが、これは高木ブーさんにも大好評でした(笑)。
料理だけじゃなく、内臓の温め方も研究。冷えると機能が低下しますから。なので飲み物は白湯か常温の水、お風呂はみぞおちまで浸かって40度を超えない温度でゆっくりと温めるんです。これはハンバーグを作っている時に思いついたのですが、高温で熱したら表面は焦げるけど中身は生のままですよね?でも弱火で熱すると中までじっくり火が通る。それと同じです。加トちゃんと一緒に私も実践しましたが、基礎体温は上がりました。そして半年後、病院で腎臓の数値を測定してみたら何と回復していたんです!あれから5年以上が経ちますが、加トちゃんは今も透析とは無縁の生活をしています。
《Profile》加藤綾菜
1988年4月生まれ。広島県出身。亜細亜大学入学を期に上京し、学生生活を送りながら寿司屋でアルバイトをする。そのバイト先でタレントの加藤茶さんと運命的な出会いを果たし、ほどなく交際開始。そして45歳差の壁を乗り越え結婚に至る。その後高齢である加藤茶さんをサポートするため、「生活習慣病予防アドバイザー」、「介護食アドバイザー」、「介護レクインストラクター」など多くの資格を取得。近年は単独でもバラエティ番組に多数出演し、「加トちゃん・綾菜の笑ってすごせる日めくりカレンダー」(KADOKAWA)、「加藤茶・綾菜の夫婦日記『加トちゃんといっしょ』」(双葉社)など著書も上梓する。YouTubeチャンネル「加藤家の日常」も好評を博している。
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撮影/尾崎玲央(PEACE MONKEY) ヘア・メイク/megu スタイリスト/櫻井かおり 取材/キッカワ皆樹 編集/西村公寿