【更年期世代のデリケートゾーンのトリセツ】“フェムケア習慣”が人生100年時代の健康を左右する!

唐突ですが「腟はお肌」。だからお肌と同じように年齢を重ねれば変化が訪れます。でも場所が場所ゆえ、なかなか相談できないのも事実。けれど不調を感じたら放置せずにケアすることで必ず変わります。

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更年期世代「デリケードゾーン」のお悩みエピソード

Episode1 自転車に乗ると痛くなる

A.Tさん 55歳
1年くらい前に自転車に乗ってペダルを踏みこんだら、お股が痛いっ!となり、かなり慌てました。デリケートゾーンが気になっていたので、それが押さえつけられたのかな?と。さらに最近ではジーパンを穿くと同じ個所が締め付けられて痛く、ピリピリとした痛みも感じていて、これはどうしたものかと悩んでいます。

Episode2 床掃除をしていた時に生臭い魚のような異臭が

Y.Mさん 52歳
床掃除をしていたところお股からぷーんと魚のような生臭さがして、まさか?という感じでした。そういえば友人も子どもを膝枕した時にママ臭い!と言われたそうで…。私も同じ?と驚きました。お風呂は1日に2回は入りますし、体臭はないほうだと思います。生理中は臭うこともあったのですが、そうでないときにも臭うので悲しいです。

Episode3 VIO脱毛したデリケートゾーンを見てショック

T.Yさん 55歳
2年前くらいからショーツから大陰唇が少しだけもっこりとはみ出していることが気になっていました。さらに昨年VIO脱毛をして、デリケートゾーンが丸見えとなったことにより、痩せたふっくら感のなさと黒ずみがあらわに。年齢が出るのだとがっかりしました。また最近は夏になるともぞもぞとした痒みが出てきて不快になるんです。

Episode4 性交痛が頻繁に起きるように

I.Kさん 48歳
ようやく彼氏ができ嬉しい!と思っていたのですが、いざその時をむかえた時に痛くなり泣きそうになりました。乾燥しうるおいが不足しているのが原因でしょうか?普段からヒリヒリした痛みもあり、デリケートゾーンの硬さも感じています。フェムケアをしなくてはと焦っているのですが、なにをどうすればいいのか分かりません。

膣の悩みは更年期世代の“あるある”なんです

唐突ですが「腟はお肌」。だからお肌と同じように年齢を重ねれば変化が訪れます。でも場所が場所ゆえ、なかなか相談できないのも事実。けれど不調を感じたら放置せずにケアすることで必ず変わります。健康も見た目も前向きになり、人生100年をもっと楽しく過ごせるようになりますよ!。

更年期や閉経に対してネガティブなイメージはありませんか?女性は10代から生理が始まり、PMSや生理痛に悩まされ、それらがない方も毎月出血して鬱陶しさを感じますよね。子供を産むことを意識する年齢になると結婚とキャリアの両立や望まない妊娠への不安、30代に差し掛かるといつまで産めるのかという出産のリミットなど妊娠にまつわることに振り回されてきたと思います。閉経するとそうしたことに縛られなくなり、救われる人も多いと思います。

なので更年期や閉経を恐れないでください。一方で閉経に向けて女性ホルモンの減少が原因で、腟の不快感・乾燥・性交痛・頻尿・尿漏れ・膀胱炎になりやすいといったお悩みが出てきます。これらはGSM(閉経関連泌尿性器症候群)といって産婦人科で改善できますので、ぜひ産婦人科へご相談ください。病院選びで迷われた際は、お近くの“産婦人科専門医”を探してみてください。外陰部は皮膚なので、ケアする場合は顔と同じように擦らずやさしく。VIO脱毛の広がりによって、今まで見えていなかった小陰唇や大陰唇の黒ずみを気にする方が増えてきました。第二次性徴で女性ホルモンのエストロゲンが増えてくると乳首やデリケートゾーンの色素は濃くなります。

それは生理的な変化で、成熟した大人の女性の証し。心配しなくて大丈夫!一方、腟は臓器なのでお悩みがあるなら、症例やオペなど経験豊富な産婦人科専門医による診察が症状改善への近道になります。腟の緩みに関するお悩みも多いですが、腟の緩みには“ゆるゆる”と“ガバガバ”の2種類があります。“ゆるゆる”は骨盤底筋の筋力が弱いなど、自分で自由自在に骨盤底筋を使えない方。ガバガバは骨盤底筋自体がダメージを受けて腟の中がぽっかり広がっているような方。原因は主に妊娠・出産の既往や、加齢・肥満・腹圧をかける癖があるなど。それぞれ対処法が変わってきます。ゆるゆるの場合は骨盤底筋を鍛えるケーゲル体操を少しずつでよいので続けてください。ガバガバは骨盤底筋や周辺の結合組織などが弱くなっているので、ご本人が気になるようであれば腟ヒアルロン酸や腟口形成、腟縮小などで改善できます。

「更年期の腟ケア」これだけは押さえて!

1.継続的にケーゲル体操
2.腟は顔と同じ扱い!なのでこすらない
3.見た目の変化は劣化じゃない!成熟した女性の証し
4.腟は臓器。相談は専門医に

デリケートゾーンの名称を理解していますか?

小陰唇はビラビラしている部分。粘膜部分を乾燥から守り異物が入らないようにする瞼のような役割があります。大陰唇は衝撃から守るクッションの役割。クリトリスは性感帯。腟は性交時の男性器の受け入れや産道に。

デリケートゾーンは更年期を境に大きく変化します

\教えてくれたのは/

宮本亜希子先生
日本専門医機構認定 産婦人科専門医

産婦人科の保険診療はもちろん、婦人科形成・腟レーザーなど自由診療もあわせ東京銀座で2院、横浜元町、名古屋のクリニックに勤務。Medytox社認定 腟ヒアルロン酸注入指導医として正しい施術の普及に努める。

本記事は、美ST編集部が取材・編集しました。「美ST」は16年以上にわたり、40代&50代女性の美容とライフスタイルを追求してきた月刊美容誌です。
『美ST』2025年11月号掲載
撮影/渡邉明日香(人物)、河野 望(静物) イラスト/別府麻衣 文/西岡直美、菊池真理子 再構成/Bravoworks,Inc.

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